アドバイザー

 今から8年前になるが、顕微鏡手術などの業務が嵩み、気分が悪くなるほどの首こり・肩こりに苦しんでいた私は、仕事柄、運動療法だ、筋肉注射だ、マッサージだのと渡り歩いた末、当時まだ渋谷にあった、古くて今にも崩れそうな雑居ビルの一室で、数名のスタッフと共に、SSSを立ち上げたばかりの彼の施術を受け、その夜、数ヶ月振りにぐっすりと眠ることが出来た事実に、驚きを隠せなかったことを、昨日の事の様に思い出す。

 長時間のうつむき姿勢が原因となって、脊柱起立筋群の深部に達する、根深い“コリ”の形成は、猫背や巻き肩の姿勢によって、長期に渡って過伸展を強いられ、更に可動域の狭くなった両肩甲骨周囲の筋肉群の血流障害を伴い、鉄板のごとく厚い層をなす。こうなってしまっては、とても自分の手が、深層のコリにまで届くはずもなく、自身でコリをほぐすことなど不可能である。キックボクサーとして彼が会得した、肉体のメンテナンスに関する、数十年に及ぶ経験値を生かし、大学などとの共同実験などで裏付けされた、独特のストレッチ法は、表層筋だけでなく、効果的に深部筋層にまで影響を与え、交感神経優位で固まった、横隔膜などの筋肉硬直を筆頭に、副交感神経作動への大きなシフトチェンジのキッカケをもたらし、結果、30分そこそこで、深呼吸まで楽にしてくれるほどだ。

 重力に支配されるこの地球上で、二足歩行の道を選んだ我々は、誰しも、自身の体重の1/10にも及ぶ、頭部の重みから逃れて生活することはできない。この頭の重さを極力軽減するために、天が人類に与えた賜り物こそが、脊椎の絶妙なS字カーブに他ならない。しかし、PCやスマホの画面の中で、もしくは着席したまま机上で戦わざる得ない現代人は、幼少時から、たやすくこのS字カーブを歪めてしまいがちだ。だが、もう怖気ることは無い。

 彼らが、、、そう、兼子ただしとその仲間たちが、日本各地で、私たちのS字を取り戻してくれる日は、もう目前なのだから!